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月の裏側   (リバリナ)

手放したくない、と思った。
腕の中の柔らかなぬくもりと、向けられる悪戯な微笑み。
何があっても放すものかと、そう思った。

(けれど、同時に)

寄り添ってはいけない、とも思った。
たとえ時間が流れに流れ、キミが、どれだけ大人になろうとも。
何故か、そう思っていた。

(本当に気づいていない?)
  (気づかないフリ?)
     (誰のために?)

今、目の前には。
傷だらけになって、横たわるキミ。
束の間の休息。安らかな寝息が聞こえる。
「俺は…足枷にしか、ならない」
闘え、とも、闘うな、とも言えない。
「だから…」

(だから?)

「傍に、いれないよ」
少し腫れぼったい頬に触れる。
くすぐったいのか痛いのか、「うーん」とひとつ、唸った。

(嘘つき。嘘つきだ)
  (本当は気づいているくせに)

押し寄せる感情の波。黒々とした、渦。
目を背け、耳を塞ぎ、息を殺して。

(「自分のため」だって、気がついているくせに!)
  (本気になって、後で…)

「…あ」
離れようとした。
寝ているキミが、その手を掴んだ。

「……」

急に、涙が溢れて、止まらない。
小さくて、か細い手が、たまらなく愛おしくて、
「…本当に…」


(怖くて怖くて、堪らない)




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非公開コメント

No title

ああああ~!!!

榎並様だめですよ泣いちゃいますから!
胸がこう、きゅうってなっちゃいますから!

毎回毎回ほんと素敵で、榎並様の書くストーリー大好きです。ごめんなさい告白して←

1記事前の神リナもストライクです。
これからもストーカーチックに更新待ってます。(おい)
プロフィール

榎並緋菜

Author:榎並緋菜
大阪府出身。学生。
『D.Gray-man』をはじめとするWJ系中心に二次創作小説を書く予定。

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