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シャボン玉


 ねぇ、優しいだけが、愛じゃないよ。

そう言って彼女は、悲しそうに俯いた。

 貴方は優しくて、私に甘いよね。
 私は誰かにそんな風に大事にされたことなかったから、すごく嬉しかった。
 本当だよ?
 でもね、それじゃ駄目なの。貴方にとっても、私にとっても。

彼女はゆっくりと言った。
僕を傷つけないように、必死に言葉を選んでいるのだろう。

 貴方は「側にいてくれるだけでいい」って言ってくれたよね?
 「忘れられない人がいる」って言ったら「それでもいい」って。

昔の話をする時、キミはいつも笑っていたけれど。
笑顔にはいつだって、寂しさが見え隠れしていた。
「まもりたい」って思ったんだ。

 分からないの。
 分からなくなったの。
 ねぇ、「恋人になる」って何?
 どうして友達じゃ駄目なの?
 どうして、「みんな好き」じゃ駄目なの?

いつから彼女は悩んでいたのだろう。
ときどき瞳が不安げに揺れているから、その寂しさに気づいてあげたくて、
側にいたくて「付き合ってくれ」って言ったのに。
どうして気づいてあげられなかったんだろう。

 ごめんなさい。
 本当に、ごめんなさい。
 大人になりきれなくて、ごめんなさい。

「待って」とは言えなかった。
彼女の瞳を見れば分かった。
彼女の中で、もう、答えは決まっていたんだ。

 我儘でごめんなさい。
 …私と、別れて欲しいの。

嗚呼、嗚呼。
どうしてだ。
「まもりたい」と思ったのに、キミを一番傷つけてしまったのは、
他の誰でもない、僕だった。


【後悔したって、時間は戻ってくれない】
【出逢った頃、キミはそう言っていた】
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榎並緋菜

Author:榎並緋菜
大阪府出身。学生。
『D.Gray-man』をはじめとするWJ系中心に二次創作小説を書く予定。

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